「車から降りて最初の一歩が痛い」
「歩いていると足裏が痛くなってくる」
「夕方になると足の痛みが強くなる」
このような症状でお悩みではありませんか?
今回は、当院に来院された60代女性・営業職の方の足底筋膜炎の症例についてご紹介します。
今回の患者様について
患者様は60代の女性で、営業のお仕事をされています。
約2か月前から、両足の足裏の中央付近に痛みを感じるようになりました。
特に特徴的だったのが、
「車から降りたときの一歩目が一番痛い」
という症状です。
また、営業のお仕事で歩くことが多く、仕事の終わりや夕方になると足の痛みが強くなるという訴えもありました。
足底筋膜炎では、朝起きて最初に歩くときや、長時間座った後の歩き始めなどに足裏の痛みを感じることがあります。
初回の評価で考えたこと
今回、最初から足底筋膜炎と決めつけて評価をしたわけではありません。
痛みが強かったため、まずは疲労骨折などの可能性も考慮して評価を行いました。
そのうえで、筋肉や関節の動きなどについても確認していきました。
評価を進めていくと、足関節の可動性が低下しており、さらにふくらはぎの筋肉に硬さがみられました。
そこで、
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足関節の可動性
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ふくらはぎの筋肉の状態
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太ももの筋肉の状態
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歩行量や仕事中の身体の使い方
などを総合的に確認しました。
営業職による「歩く量」や靴にも注目
今回の患者様は営業職ということもあり、日常的に歩く量が多い方でした。
また、仕事中にヒールを履くことも多いということでした。
そのため、足裏だけを見るのではなく、ふくらはぎや太ももの筋肉、足関節の動きなど、下肢全体の状態を確認することが重要だと考えました。
足底の痛みがあるからといって、必ずしも足裏だけに原因があるとは限りません。
足関節の動きや下肢の筋肉の状態なども確認しながら、その方に合わせて評価することが大切です。
当院で行った施術
初回は痛みが強く、歩くだけでもつらい状態でした。
そのため、最初から強い刺激を加えるのではなく、痛みの状態を確認しながら刺激量を調整して施術を行いました。
まず鍼施術を行い、痛みのある部分だけでなく、硬さがみられたふくらはぎや太ももの筋肉にもアプローチしました。
その後、マッサージやストレッチなどを行い、筋肉の状態を整えていきました。
痛みが強かったため、初回は刺激量を抑えた鍼施術を選択しました。
施術後の変化
施術後、もともとあった足裏の痛みが軽減し、患者様からは、
「足が動かしやすくなった」
という感想をいただきました。
痛みの程度も、患者様の感覚として10分の1程度まで軽減しました。
また、足関節の動きを確認すると、施術前と比べて動かしやすくなっていました。
3日後に2回目の来院をされた際にも、痛みが少ない状態が維持されていました。
その後も施術を継続し、3回目以降は痛みをほとんど感じない状態で来院されるようになりました。
最終的には、
「お孫さんと走って遊べるようになった」
とのことで、日常生活や仕事中にも足の痛みが気になりにくくなっていきました。
今回の症例から感じたこと
今回の症例で特に印象に残ったのは、痛みが強かったため、初めは疲労骨折などの可能性も考えながら慎重に評価したことです。
そのうえで筋肉や関節の動きを確認していくと、足関節の可動性低下や、ふくらはぎの筋肉の硬さなどがみられました。
今回の経験を通して、改めて感じたのがROM(関節可動域)テストの重要性です。
「足裏が痛い」という症状だけを見るのではなく、
「足関節はしっかり動いているか?」
「ふくらはぎの柔軟性はどうか?」
「太ももの筋肉に問題はないか?」
など、身体全体を確認することで、その方の状態をより詳しく把握できます。
足裏の痛みを我慢し続けないことも大切
足底の痛みは、歩く量が多い方や、長時間立っている方などにみられることがあります。
特に「歩き始めの一歩目が痛い」「仕事の後半になると痛みが強くなる」といった症状が続いている場合は、自己判断で我慢し続けず、一度専門家に相談してみることをおすすめします。
足底筋膜炎と似た症状でも、疲労骨折など別の原因が隠れている可能性もあるため、痛みの経過や状態に応じて適切に評価することが大切です。
まとめ
今回ご紹介した患者様は、約2か月続いていた足裏の痛みに悩まれていました。
特に車から降りたときの一歩目や、仕事の終わり・夕方に痛みが強くなることが特徴でした。
評価では、足関節の可動性低下やふくらはぎの筋肉の硬さなどがみられました。
足裏の痛みがある場合でも、足裏だけを見るのではなく、足関節やふくらはぎ、太ももなど下肢全体の動きを確認することが重要です。
「一歩目が痛い」「歩くと足裏が痛い」「夕方になると痛みが強くなる」などの症状が続いている方は、ぜひ一度ご相談ください。
参考文献
(1)Bise, Christopher et al. “Heel Pain – Plantar Fasciitis: Revision 2023.” The Journal of orthopaedic and sports physical therapy vol. 55,8 (2025): 1. doi:10.2519/jospt.2025.0502
Available at:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40734587/
(2)Goff, James D, and Robert Crawford. “Diagnosis and treatment of plantar fasciitis.” American family physician vol. 84,6 (2011): 676-82.
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(3)Lim, Ang Tee et al. “Management of plantar fasciitis in the outpatient setting.” Singapore medical journal vol. 57,4 (2016): 168-70; quiz 171. doi:10.11622/smedj.2016069
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