ヘルニアに鍼をしてみませんか？

2025/06/30 | カテゴリー：スタッフブログ, トピックス

専門家が解説！
科学に基づく腰椎椎間板ヘルニア対策と信頼できる健康アドバイス！

前にかがむと痛い、足にしびれを感じる、足に力が入りづらいなどはありませんか？

もしかしたら腰椎の椎間板ヘルニアかもしれません。

気にせず放置していると進行して手術の適応になる可能性があります。

今回は腰椎の椎間板ヘルニアについてお話していきます。

1️⃣ 椎間板ヘルニアとは？

ヘルニアとは、本来あるべき場所から体の一部が飛び出してしまう状態のことです。

ヘルニアが椎間板で起こっているときに椎間板ヘルニアという疾患名がつきます。

腰椎で起こる場合は髄核というゼリー状の部分が椎間板から飛び出し、神経を圧迫してしまった時にしびれなどの症状が出てしまいます。

重症化してしまうと足に力が入らなくなる、排尿排便障害を起こす可能性があります。

その場合は整形外科などの医療機関の受診をおすすめいたします。

2️⃣ 科学に基づく椎間板ヘルニアの対策

椎間板ヘルニアに対して、鍼の効果性が認められた研究のご紹介⁽²⁾

🔍 Introduction | 論文の概要 —

本研究は、腰椎椎間板ヘルニア（LDH）患者に対する鍼治療とリハビリテーション治療の効果を比較検討し、傍脊柱筋の萎縮および脂肪浸潤に対する影響を評価することを目的とした。LDHの発症・進行には傍脊柱筋の機能低下が深く関与しているとされており、これらの筋の状態を改善することが症状の軽減や再発予防につながる可能性がある。

🔬 How We Researched | 研究の進め方 —

本研究では、LDHと診断された332名の患者を鍼治療群とリハビリ群に無作為に割り付け、治療前後で以下の項目を評価した：

MRI画像による傍脊柱筋（多裂筋・脊柱起立筋・大腰筋）の断面積と脂肪浸潤の比率

疼痛の評価（Visual Analog Scale：VAS）

生活機能の評価（日本整形外科学会スコア：JOA）

評価は治療前、治療2週間後、3か月後に実施され、ImageJソフトを用いて筋および脂肪領域の定量評価を行った。統計解析にはSPSSを使用し、群間および群内比較を実施した。

📊 Key Findings | 研究が示したこと —

本研究は、鍼治療がLDHに伴う傍脊柱筋の萎縮および脂肪変性を改善し、痛みや機能障害の軽減に有効である可能性を示唆しており、LDHの予防的介入手段としての鍼治療の可能性も示した。

💡 The Science Behind It | メカニズムを解説 —

✅ 局所血流の促進 → 炎症の軽減、代謝促進、筋修復促進
✅ 筋収縮と神経筋再教育の促進 → 筋活動の正常化、筋萎縮の抑制
✅神経栄養因子の上昇（BDNF、IGF-1など） → 神経再生や筋再生の促進

これらのメカニズムにより、鍼を刺した後に強力な鎮痛効果を発揮すると考えられる。

3️⃣ 専門家からのアドバイス

無理のない範囲で身体を動かすことは、手軽に簡単にできるセルフケアとなります。
具体的に、実践しやすい方法を３つご紹介いたします。

1, ストレッチ

ハムストリングス、内転筋、大腿四頭筋などの股関節周囲の筋肉を緩めると、腰部への負担の軽減につながります。

2, 軽い筋トレ

ドローイン、ブリッジ、バードドッグなどで体幹やお尻の筋肉を活性化することで腰の安定性が増し、負担の軽減につながります。

3, 体重管理

体重が重いとそれだけで椎間板に負担がかかり、腰痛の原因やしびれが増悪してしまう可能性があるので、食事のコントロールや軽い運動から管理していきましょう。

4️⃣ 健康な毎日への第一歩

腰椎椎間板ヘルニアは遺伝的要因、加齢、生活習慣（特に長時間の座位や重い物の持ち上げなど）、肥満、喫煙などが原因だとされています。

特に現代ではデスクワークやスマホなどで座っている時間が長い生活になっている人が多いと思います。

少しだけ生活習慣を変えるだけでもリスクを減らすことができるので、階段を使う、少しだけ体幹を鍛えてみるなど、実践してみてください！

今後も、科学的な研究結果を基に、信頼性の高い情報をお届けしてまいります。

腰椎椎間板ヘルニアでお困りの方は、ぜひ横須賀市の「かもい名倉堂接骨院」「よこすか名倉堂整骨院」へご相談ください。

引用文献

(1)Humphreys, S C, and J C Eck. “Clinical evaluation and treatment options for herniated lumbar disc.” American family physician vol. 59,3 (1999): 575-82, 587-8.
Available at：Clinical Evaluation and Treatment Options for Herniated Lumbar Disc | AAFP

(2)Yan, Liang et al. “Efficacy of acupuncture for lumbar disc herniation: changes in paravertebral muscle and fat infiltration – a multicenter retrospective cohort study.” Frontiers in endocrinology vol. 15 1467769. 6 Nov. 2024, doi:10.3389/fendo.2024.1467769
Available at：Efficacy of acupuncture for lumbar disc herniation: changes in paravertebral muscle and fat infiltration – a multicenter retrospective cohort study – PMC