こんなお悩みありませんか?
- 歩いていると膝の内側が痛くなる
- 階段を上ると膝の内側が痛い
- 階段の上り下りで膝が内側に入ってしまう
- 膝の痛みが良くなったり、また痛くなったりする
- マッサージなどで一時的に楽になるけれど、日常生活をすると痛みが戻ってしまう
膝の内側の痛みでお悩みの方の中には、歩行や階段昇降のときに膝が内側へ入ってしまうという特徴がみられることがあります。
今回は、膝の内側の痛みと「膝が内側に入る動き」に注目して、研究で分かっていることと、当院の現場で実際に行っている評価・施術について解説します。
膝の内側が痛くなるのはなぜ?
「膝の内側が痛い」といっても、その原因は一つではありません。
膝の内側には、
- 内側側副靱帯
- 内側半月板
- 鵞足部
- 内側の関節面
- 周辺の筋肉や腱
など、さまざまな組織があります。
そのため、膝の内側が痛いというだけで、原因を一つに決めることはできません。
年齢や活動量、膝にかかる負担、過去のケガ、身体の動かし方などを総合的に確認することが大切です。
「膝が内側に入る」とは?
歩行や階段昇降、スクワットなどの動作で、膝が足先よりも内側へ入っていくような動きを、一般的に**動的膝外反(Dynamic Knee Valgus)**と呼びます。
膝だけの問題ではなく、
股関節・骨盤・膝・足関節など、下肢全体の動き
が関係しています。
例えば、股関節周囲の動きや筋力、足部の状態などによって、膝の動き方が変わることがあります。
ただし、「膝が内側に入るから痛みが出る」と単純に考えることはできません。
研究ではどう分かっている?
股関節の筋力と「膝が内側に入る動き」の関係
股関節周囲の筋力と動的膝外反の関係について調べたシステマティックレビューでは、股関節の筋力が弱いほど膝が内側に入りやすいという関係が、一部の動作で確認されています。
一方で、すべての動作で同じ関係が確認されたわけではありません。
つまり、
「股関節が弱いから必ず膝が内側に入る」
というほど単純ではないということです。
そのため、膝の動きを見るときには、筋力だけではなく、実際に歩く・階段を上る・片脚で立つなど、実際の動作の中でどのように膝が動いているのかを見ることが重要になります。
膝の動きを改善すれば、必ず痛みも改善する?
ここも注意が必要です。
膝の動きと痛みの関係について調べたシステマティックレビュー・メタ解析では、治療によって膝の動きが変化しても、その変化が必ずしも痛みや機能の改善と一致するとは限らないことが報告されています。
つまり、
「膝を正しい位置にすれば痛みがなくなる」
と単純に考えるのではなく、
- 痛みがどこにあるのか
- どの動作で痛むのか
- 膝の可動域
- 股関節や足関節の動き
- 筋力
- 日常生活での膝への負担
などを総合的に確認することが大切です。
運動は膝の痛みに効果がある?
膝の痛みに対する運動については、多くの研究があります。
膝の変形性関節症を対象としたシステマティックレビューでは、運動によって痛みや筋力の改善が期待できることが報告されています。筋力トレーニングだけでなく、有酸素運動などでも改善が報告されています。
また、自宅で行う運動についても、膝の変形性関節症の患者様を対象としたシステマティックレビュー・メタ解析で、痛みや身体機能の改善が報告されています。
そのため、膝の痛みでは施術だけに頼るのではなく、日常生活の中で身体を動かすことも重要な要素になります。
当院の現場ではどうなのか?
実際に当院では、膝の内側に痛みを訴える患者様を多く経験しています。
その中には、
- 歩行時に膝の内側が痛い
- 階段を上ると膝の内側が痛い
- 歩行や階段昇降の際に膝が内側へ入ってしまう
という特徴を持つ方もいます。
また、施術によってその場では痛みが軽減しても、普段の生活に戻ると痛みが再び出てしまうケースもあります。
そのため当院では、施術によって一時的に痛みを軽減することだけでなく、日常生活でどのように膝を使っているのか、そして膝が内側へ入りやすい動作になっていないかを確認することが重要だと考えています。
当院では何を評価するのか?
当院では、膝の状態を確認するために、内反・外反ストレステストなどを行っています。
これは、膝に一定の方向へストレスを加えたときに、
- 痛みが出るか
- どの程度の痛みなのか
- 左右で違いがあるか
などを確認する評価です。
特に膝の内側に痛みがある場合には、外反方向へのストレスによって内側の組織に症状が出ることがあります。
ただし、ストレステストだけで痛みの原因を確定するものではありません。
歩行や階段昇降などの動作も確認し、膝以外の身体の状態も含めて評価することが大切です。
当院ではどのような施術をするのか?
当院では、膝だけでなく、腰から膝周辺までの状態を確認しながら施術を行っています。
具体的には、
- 腰から膝周辺のマッサージ
- 筋肉のストレッチ
- ハイボルテージなどの物理療法
などを行い、症状に応じて痛みや炎症症状の軽減を目指します。
ただし、施術によってその場で痛みが軽減したとしても、普段の動作が変わらなければ、再び症状が出てしまうことがあります。
そのため、当院では施術とセルフケア・運動を組み合わせることを大切にしています。
自宅でできるセルフケア
当院でお伝えしているセルフケアとしては、膝周辺だけでなく、内転筋などの内側の筋肉や、お尻周りの筋肉のストレッチなどがあります。
また、運動を行う際には、
「膝が内側に入らないように意識する」
ことも一つのポイントとしてお伝えしています。
特に、立ち上がりやスクワット、階段昇降など、膝に体重がかかる動作では、自分の膝がどの方向へ動いているのかを意識してみましょう。
ただし、膝の痛みの原因や身体の状態は人によって異なります。
痛みが強くなる場合は無理に運動を続けず、専門家へ相談することをおすすめします。
日常生活で気をつけたいこと
膝の痛みがある方は、普段の生活の中でも膝の動きを一度確認してみましょう。
歩くとき
鏡などで確認できる場合は、膝が極端に内側へ入っていないか確認してみましょう。
階段を上るとき
膝だけを意識するのではなく、股関節や足の位置も含めて、膝が無理なく動いているかを意識しましょう。
運動するとき
痛みを我慢して運動するのではなく、痛みが強くならない範囲で行うことが大切です。
そして、研究からも分かっているように、膝の痛みに対する運動は一定の効果が期待されています。
現場スタッフから伝えたいこと
膝の内側の痛みは、施術を受けてその場では楽になっても、日常生活をするとまた痛くなってしまうことがあります。
私たちが現場で大切だと感じているのは、「痛みを取ること」だけで終わらせないことです。
なぜ痛みが出ているのか。
歩いているときや階段を上るとき、膝がどのように動いているのか。
そして、普段の生活の中で膝にどのような負担がかかっているのか。
こうした点を確認することが重要だと考えています。
特に、膝が内側に入る動きが日常的に繰り返されている場合には、その動作を見直すことも一つのポイントになります。
ただし、膝の内側の痛みにはさまざまな原因があるため、「膝が内側に入ること」だけを原因と決めつけないことも大切です。
膝の痛みを我慢していませんか?
膝の痛みは、年齢とともに起こりやすくなるものもあります。
しかし、
「年齢だから仕方がない」
と我慢する必要があるとは限りません。
運動や身体の使い方を見直すことで、痛みや身体機能の改善が期待できる場合があります。特に膝の変形性関節症では、運動療法による痛みや機能の改善について多くの研究があります。
膝の内側の痛みが続いている方、歩行や階段で痛みを感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
今回のポイントは次の4つです。
① 膝の内側の痛みには、さまざまな原因があります。
② 歩行や階段で「膝が内側に入る」動きがみられる方もいます。
③ 膝の動きだけで痛みの原因を決めることはできないため、膝・股関節・足関節などを総合的に評価することが重要です。
④ 施術だけでなく、セルフケアや運動、日常生活での身体の使い方を見直すことも大切です。
膝の痛みを「年齢のせいだから」と諦めず、まずはどの動作で痛みが出るのか、膝がどのように動いているのかを確認してみましょう。
参考文献
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