「腕を上げると肩が痛い」
「手を後ろに回すと痛む」
「夜、肩の痛みで目が覚める」
このようなお悩みはありませんか?
今回は、左肩の痛みでお困りだった40代男性の症例をご紹介します。

来院時の症状と身体の評価
患者様はデスクワークをされており、令和7年12月頃から、原因がはっきりしないまま徐々に左肩の痛みが出始めました。
特に困っていたのは腕を上げるときの痛みで、手を後ろに回す動作でも痛みがあり、夜間痛もみられました。
身体の状態を確認するため、肩のインピンジメントに関連するニアテストとホーキンステストを行ったところ、どちらも陽性でした。また、肩関節の動きに制限がみられたほか、胸椎を反らす動きや回旋する動きにも硬さが確認できました。
これらの評価から、肩関節だけでなく、長時間のデスクワークによる姿勢や胸椎の可動性にも着目する必要があると考えました。
胸椎の動きが制限されていると、腕を上げる際の肩甲骨や肩関節の動きに影響する可能性があります。ただし、胸椎の硬さが肩の痛みの直接的な原因であるとは限らないため、身体全体の動きを確認しながら施術方針を立てました。

施術内容と経過
初期は痛みが強かったため、痛みの軽減を目的に鍼治療を行いました。初回の施術後には、痛みが10段階で10から5程度に軽減し、肩を回す動きも楽になったとのお話がありました。
2回目には夜間痛が軽減した一方、腕を上げるときの痛みは残っていました。その後も症状を確認しながら施術を継続しました。
鍼治療に加えて、胸椎の伸展・回旋の動きを引き出すためのモビライゼーションやストレッチを取り入れ、さらに背骨の動きを促す運動も行いました。
施術を6~7回続けた頃には、肩の痛み10段階で2~3程度まで軽減しました。特に腕を横から上げる動きが改善し、患者様からも「腕を上げるときの痛みが楽になった」とのお声をいただきました。
最終的には、日常生活での痛みが気にならなくなり、趣味のバスケットボールも痛みなく行えるようになりました。

肩の痛みと胸椎の動きの関係
肩を動かすときには、肩関節だけでなく、肩甲骨や胸椎なども連動しています。そのため、胸椎の動きが制限されている場合、腕を上げる動作に影響する可能性があります。
実際に、肩のインピンジメントに関連する症状を対象とした研究では、胸椎への徒手療法や運動療法を組み合わせることで、痛みや機能、肩関節の可動域が改善する可能性が報告されています。
ただし、研究によって施術方法や結果に違いがあり、胸椎へのアプローチがすべての肩の痛みに有効とは限りません。また、今回の症例では鍼治療や運動なども組み合わせているため、改善が特定の施術だけによるものとは断定できません。
今回の症例を通じて、痛みのある肩だけに着目するのではなく、胸椎の柔軟性や身体全体の連動性を確認することの重要性を改めて感じました。
肩の痛みでお悩みの方へ
腕を上げると痛い、手を後ろに回しにくい、夜間に肩が痛むといった症状がある場合、肩関節だけでなく、周囲の関節や身体全体の動きも含めて状態を確認することが大切です。
当院では、お一人おひとりのお身体の状態や症状に合わせて、施術や運動をご提案しています。
肩の痛みでお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。お身体の状態を確認しながら、日常生活や趣味の運動を快適に行えることを目指してサポートいたします。
参考文献
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Robles-Pérez R, et al. Thoracic Manual Therapy With or Without Exercise Improves Pain and Disability in Subacromial Pain Syndrome: A Systematic Review of Randomized Trials. Healthcare. 2025.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41095565/ -
Yu S, et al. Effectiveness of Thoracic Spine Manual Therapy in Treating Subacromial Impingement Syndrome: A Systematic Review and Meta-analysis. Archives of Physical Medicine and Rehabilitation. 2025.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40712864/





















