
専門家が解説!
科学に基づく腸脛靭帯炎対策と信頼できる健康アドバイス!
これからの季節はランニングにちょうどいい気温ですね。
ただ、夏の間暑くてあまり走れなかった方は、急に負荷を上げてしまうと膝が痛くなってしまうかもしれません。
運動頑張ろう!と思った矢先に膝が痛くなってしまった…という方は多くいらっしゃいます。
今回は膝が痛くなってしまう原因の1つ、腸脛靭帯炎を解説していきます!
1️⃣ 腸脛靭帯炎のメカニズム
腸脛靭帯炎(ITBS)は、ランニングやサイクリングなど膝の屈伸運動を繰り返すスポーツで多く見られる、膝外側の痛みを主症状とするオーバーユース障害です。
発症率はランナーの約5〜12%と報告されており、特にトレーニング量が急増した時期や下り坂走行などで多くみられます。
ITBSは長年「摩擦による炎症」と考えられてきましたが、最新の研究では、摩擦説から圧迫説への転換が進んでいます。
2️⃣ 科学に基づく腸脛靭帯炎の対策

🔍 Introduction | 論文の概要 —
Lavine(2010)らの総説論文⁽¹⁾では、ITBSの発生機序を中心に解剖・生体力学・臨床研究を統合し、従来の“摩擦モデル”と新しい“圧迫モデル”を比較しています。
また、Faircloughら(2006)⁽²⁾は、死体膝関節を使った実験で腸脛靭帯(ITB)の位置関係を解析し、実際にはITBが滑走するのではなく、その下の脂肪組織を圧迫する構造であることを明らかにしました。
🔬 How We Researched | 研究の進め方 —
解剖学的研究、画像研究、生体力学的研究からITBに負荷がかかる原因を調査。
📊 Key Findings | 研究が示したこと —
1.“摩擦”ではなく“圧迫”が主因
ITBが外側大腿顆上の脂肪組織を繰り返し圧迫し、そこに神経・血管が集中しているため痛みが生じる。⁽²⁾
2.膝屈曲約30°でストレスが最大
ランニング時、膝が約30°屈曲する瞬間(接地相)で外側顆との接触が最大となり、この角度で疼痛が起こりやすい。⁽¹⁾
3.股関節・膝・足部アライメントの影響
中殿筋・大殿筋の筋力低下により、大腿が内側へ傾く(股関節内転・内旋)、これによりITBの張力が高まり、圧迫力も増大。⁽³⁾
4.炎症は靭帯ではなく周囲軟部組織
MRIではITB自体の腫脹よりも、ITB下方の脂肪体・滑膜体の炎症や浮腫が主要所見。これは摩擦説では説明できない現象。⁽¹⁾
💡 The Science Behind It | メカニズムを解説 —
✅張力の増大
股関節外転筋(中殿筋)や体幹の安定性低下により、走行時に大腿が内側へ倒れやすく、ITBの張力が増す。
✅神経終末の刺激
圧迫された脂肪パッドには感覚神経が豊富に分布しており、慢性的な機械的刺激が疼痛を誘発。
✅微小損傷と修復遅延
長期的な反復圧迫による炎症→線維化→柔軟性低下→さらなる張力増大という悪循環。
これらのメカニズムにより、腸脛靭帯炎は 「ITBの張力亢進+膝外側の局所圧迫による炎症」 と考えられる。
3️⃣ 専門家からのアドバイス

腸脛靭帯にかかる負荷や圧迫ストレスを減らすことがとても大切になります。
具体的に、実践しやすい方法を3つご紹介いたします。
1,股関節外転筋(中殿筋・大殿筋)の強化
→ ITBへの張力を減らし、圧迫ストレスを軽減します。
例:クラムシェル、サイドレッグリフト、ヒップアブダクション。
2,フォームの修正
→膝が内側に入ることや過剰な足部回内を修正する。専門家によるフォーム分析が有効。
3,トレーニング負荷の調整
→ 急な距離・スピードの増加を避け、特に下り坂走行や片側トラック走行を控える。
4️⃣ 健康な毎日への第一歩
運動をすることは快適に日常生活を送るうえで、とても重要なことです!
運動をすることで予防できる疾患は多くありますが、逆に痛みが出てしまうケースも多くあります。
自分の身体に不調が出ている場合、何かを変えなければそれが消えることはあまり多くありません。
フォームの見直しや、日々のメンテナンスを行うことで、より運動を楽しめる身体になりましょう!
今後も、科学的な研究結果を基に、信頼性の高い情報をお届けしてまいります。
腸脛靭帯炎でお困りの方は、ぜひ横須賀市の 「かもい名倉堂接骨院」「よこすか名倉堂整骨院」 へご相談ください。
引用文献
(1)Lavine R. Iliotibial Band Friction Syndrome. Sports Health. 2010;2(5):361–371.
Available at:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2941581/
(2)Fairclough J et al. The Functional Anatomy of the Iliotibial Band During Flexion and Extension of the Knee: Implications for Understanding ITBS.J Anat. 2006;208(3):309–316.
Available at:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2100245/
(3)Fredericson M et al. Hip Abductor Weakness in Distance Runners with Iliotibial Band Syndrome. Clin J Sport Med. 2000;10(3):169–175.
Available at:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4458926/
店舗名
【浦賀院】かもい名倉堂接骨院
〒239-0821
住所神奈川県横須賀市東浦賀1丁目10ー7 パレドール浦賀1階
電話番号
tel:046-844-1770
【横須賀中央院】よこすか名倉堂整骨院
住所
神奈川県横須賀市安浦町1-1冨田ビル1F
電話番号
tel:046-884-8220





















